次の記述は、半導体素子の一般的な動き又は用途について述べたものである。
A、B、Cに入る字句を選べ。
(1)発光ダイオード(LED)は、A 電流が流れたときに発行する性質を利用する素子として用いられている。
(2)ツェナーダイオードは、主に B 電圧を加えたときの定電圧特性を利用する。
(3)トンネルダイオードは、その C の電圧-電流特性にトンネル効果による負性抵抗特性を持っており、応答特性が速いことを利用して、マイクロ波からミリ波帯の発振に用いることができる。
1 A:順方向 B:順方向 C:順方向
2 A:順方向 B:逆方向 C:逆方向
3 A:順方向 B:逆方向 C:順方向
4 A:逆方向 B:順方向 C:逆方向
5 A:逆方向 B:逆方向 C:順方向
解答はこちら
選択肢3

ダイオードってこんなに種類があるんだッキ!?

サルと同じだね

猿の方が多いし・・・
ダイオードとは?
ダイオードとは、電気を一方向にだけ流す特性を持つ電子部品です。
これはスマートフォンやパソコンの電源部分、ランプやインジケータなどのLED、電気回路の逆流防止や過電圧保護など様々な用途で使われています。
電子機器には必要不可欠な部品です。

ダイオードの回路記号は以下のようになります。
左側の端子をアノード、右側の端子をカソードといいます。
上の画像で言えば黒い方がアノード、白い方がカソードです。

ダイオードは、アノードからカソードの方向(順方向)には電流を流しますが、カソードからアノードの方向(逆方向)には電流を流しません。
この特性を利用して、電流の向きを制御しているわけです。

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ダイオードの特徴を抑えよう!
発光ダイオード

照明などに用いられる発光ダイオードは、順方向に電流が流れると、半導体内部で電子と正孔が結合し光を放出します。
エネルギー効率が良く、寿命が長い特徴があります。
ただし、逆方向では電流が流れず、壊れる可能性があるので注意ですね。
発光ダイオードは、順方向に電流を流し発光する。
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ツェナーダイオード

ツェナーダイオードは、逆方向に一定の電圧で動作する半導体です。
過大な逆電圧をかけるとツェナー電圧に達し、ここから急激に電流が流れ始めます。
逆方向での動作が特徴的で、電源回路や電圧リファレンス(一定の電圧を出力する機器)として利用されます。
ツェナーダイオードは、逆方向に一定の電圧を供給する
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トンネルダイオード

トンネルダイオードは、不純物濃度を大きくしたpn接合ダイオードです。
トンネル効果と呼ばれる現象が用いられています。
これは、量子力学の現象で、半導体内の障害物(バリア)を粒子(電子)が「越えてしまう」ことです。
通常、粒子は障害物を越えるために十分なエネルギーが必要なのですが、トンネル効果では、エネルギーが足りなくても「トンネル」を通って透過することができます。

このトンネル効果により、トンネルダイオードの電流-電圧特性は以下のようになります。

電圧が上がっているのに、電流が下がっている領域がありますよね。
ここを負性抵抗領域といい、電圧と電流の関係がオームの法則とは逆の振る舞いをしているためそう呼ばれています。
トンネルダイオードは、順方向特性のトンネル効果による負性抵抗特性を持つ。
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以上より、A:順方向、B:逆方向、C:順方向となるので選択肢3が解答になります!
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まとめ
ダイオードの問題でした。
ポイントは以下の3点です。
①発光ダイオードは、順方向に電流を流し発光する。
②ツェナーダイオードは、逆方向に一定の電圧を供給する。
③トンネルダイオードは、順方向特性のトンネル効果による負性抵抗特性を持つ。

ツェナーダイオード以外は順方向キッ!