【最新!】令和6年10月期一陸特 試験『無線工学』(2) 解説🍌

一陸特

標本化定理において、周波数帯域が300[Hz]から3[kHz]までのアナログ信号を標本化して、忠実に再現することが原理的に可能な標本化周波数の下限の値として、正しいものを選べ。

1 300[Hz]
2 600[Hz]
3 1.5[kHz]
4 3 [kHz]
5 6 [kHz]

解答はこちら

選択肢5

おさる君
おさる君

標本化周波数・・・
標本化している周波数のことだッキね

ざるい先生
ざるい先生

標本化が何か知ってる?

おさる君
おさる君

・・・

標本化とは?

標本化とは、人の声のような連続的な信号(アナログ信号)を一定間隔でデータを抽出し、パソコンで処理できるように離散的なデータ(デジタル信号)に変換するプロセスのことです。

人の声は、空気の振動によって連続的に変化するアナログ信号として伝わります。

しかし、コンピュータは連続的な情報を直接扱うことができないので、人の声をデジタル信号に変換する必要があるわけです。

ここで覚えておいてほしいのは、アナログ信号をデジタル信号に変換するプロセスは3ステップあるということです。

標本化 → 量子化 → 符号化

標本化:アナログ信号を、一定の間隔で切り取る(サンプリング)ことで、離散的なデータに変換

量子化:サンプリングで得られたデータの値を、一定の段階(レベル)に区切って近似

符号化:量子化されたデータを、コンピューターで扱いやすい形式(通常はバイナリ)に変換

この3ステップを踏むことで、アナログ信号をデジタル信号に変換できます。

標本化だけではないことを覚えておいてください。

$\\$

さて、標本化がわかったところで標本化定理を説明します。

標本化定理とは、連続時間信号(アナログ信号)を離散時間信号(デジタル信号)として表現するための条件を示したものです。

この定理によると、ある連続信号を完全に再現できるようにサンプリングするためには、信号に含まれる最大周波数成分の2倍以上の周波数でサンプリングする必要があると示されています。

$f_s\geqq2f_{max}$
fs:標本化周波数, fmax:最大周波数

おさる君
おさる君

この条件を満たさないと、僕の美声を忠実に再現できないことッキね!

ざるい先生
ざるい先生

おさる君の場合は鳴き声だけどね

$\\$

標本化定理を踏まえて問題を解いてみよう!

標本化定理を知っていれば簡単ですよね。

設問より、アナログ信号の最大周波数は3[kHz]だとわかります。

標本化定理より、

$f_s\geqq2f_{max}$
$f_s\geqq2×3$
$f_s\geqq6$[kHz]

よって標本化周波数の下限の値は6[kHz]になり、選択肢5が解答になります!

$\\$

まとめ

標本化定理についての問題でした。
今回のポイントです。

①アナログ信号をデジタル信号に変換するには、標本化・量子化・符号化のプロセスが必要
②標本化定理:$f_s\geqq2f_{max}$

おさる君
おさる君

そうか!!
友達に電話した時、「声が変だ」と言われたのは、サンプリングが不十分だったからッキね!

ざるい先生
ざるい先生

・・・それは単に風邪だね

参考:試験問題と解答|公共財団法人 日本無線協会

タイトルとURLをコピーしました