デジタル信号の復調(検波)方式について述べたもので、【A】【B】に入れるべき字句を選べ。
(1)一般に、搬送波電力対雑音電力比(C/N)が同じとき、理論上では同期検波は遅延検波に比べ、符号誤り率が【A】。
(2)同期検波は、受信信号から再生した【B】を基準信号として用いる。
1 A:大きい B:包路線
2 A:大きい B:搬送路
3 A:小さい B:包路線
4 A:小さい B:搬送路
解答はこちら↓
選択肢4

同期検波と遅延検波の違いがわからないから
解けるはずないッキ!

なんで得意気なの?
復調方式とは?

復調とは、変調された信号(変調波)から元の信号を取り出すことです。
このプロセスを踏むことで、送信された情報を受信側で正確に再現することができます。
せっかく送信側でアナログ信号をデジタル信号に変換しても、それを受信側で正しく再現できなければ意味がないですからね。
問題で挙げられている同期検波と遅延検波は変調された信号を復調する際の方式です。
以下に、違いを説明していきます。
$\\$
同期検波とは?

同期検波とは、受信した信号から搬送波と同期した基準信号を作り直し、その搬送波を基準にして信号を正確に復調する方式です。
ちなみに搬送波とは、情報を遠くまで送るために利用される単純な正弦波信号のことです。
搬送波に情報を載せることで、情報を遠くまで送ることができるのです。
以下にメリット、デメリットを説明します。
・高精度に復調ができる
・雑音に強い(符号誤り率が小さい)
・高精度な分、複雑な回路を用いるためコストがかかる
$\\$

同期検波方式は、高精度で高コストなんだッキよ!

なんで得意気?
$\\$
遅延検波とは?

遅延検波方式は、同期検波とは異なり基準信号を使わず、信号自信を遅延させタイミング比較をして信号を復調する方式です。
信号を少し遅らせ、元の信号を比べることで、その違いから情報を取り出しているのです。
・同期検波ほど回路は複雑ではないため低コスト
・同期検波に比べ雑音に弱い(符号誤り率が高い)
・復調精度が低い
$\\$
比較表
項目 | 同期検波 | 遅延検波 |
---|---|---|
基準信号 | 搬送波 | なし |
復調精度 | 高い 〇 | 低い △ |
雑音耐性 | 強い 〇 | 弱い △ |
回路の複雑さ | 高い 〇 | 低い △ |
用途 | 高品質通信 | 簡易通信 |
$\\$
まとめ
(1)一般に、搬送波電力対雑音電力比(C/N)が同じとき、理論上では同期検波は遅延検波に比べ、符号誤り率が【A】。
(2)同期検波は、受信信号から再生した【B】を基準信号として用いる。
同期検波は、遅延検波より符号誤り率が小さく、搬送波を基準信号にしているので、解答は選択肢4になります。
今回は復調方式の問題でした。
ポイントは2点です。
①同期検波は搬送波を用いて高精度な復調をする方式
②遅延検波は低コストな分、精度が劣る復調方式
同期検波と遅延検波の違いがわかれば解ける問題でしたね。