次の記述は、マイクロ波通信等におけるダイバーシティ方式について述べたものである。
A、B、Cに当てはまる字句の組み合わせを選べ。
(1)ダイバーシティ方式とは、同時に回線品質が劣化する確率が小さい二つ以上の通信系を設定して、それぞれの通信系の出力を選択又は合成することにより A の影響を軽減するものである。
(2)十分に遠く離した二つ以上の伝送路を設定し、これを切り替えて使用する方法は B ダイバーシティ方式といわれる。
(3)二つの受信アンテナを空間的に離すことにより二つの伝送を構成し、この出力を選択又は合成する方法は C ダイバーシティ方式といわれる。
1 A:フェージング B:ルート C:スペース
2 A:フェージング B:ルート C:偏波
3 A:フェージング B:周波数 C:スペース
4 A:内部雑音 B:ルート C:スペース
5 A:内部雑音 B:周波数 C:偏波
解答はこちら
選択肢1

今回はダイバーシティ方式の問題だッキ!

このブログではダイバーシティ方式の説明をするよ
ダイバーシティ方式とは?

ダイバーシティとは、同時に回線品質が劣化する確率が小さい二つ以上の通信系を設定して、それぞれの通信系の出力を選択又は合成することにより フェージング の影響を軽減するものです。
簡単に言うと、電波の受信方法を工夫して通信を安定させる技術です。
受信アンテナを2本以上にすると、片方のアンテナに届いた電波がダメでも、もう一方の電波が使えますよね?
また、2つの電波を合成すればより強固な電波を作れると思いませんか?
このように、複数の通信系を設定することで通信を安定させるのがダイバーシティ方式なのです。
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ダイバーシティ方式の種類
以下に、4種類のダイバーシティ方式を説明します。
スペースダイバーシティ方式

スペースダイバーシティ方式とは、その名の通り、アンテナを複数の場所に設置して通信を安定させる方法です。
2つ以上のアンテナを 「離れた場所」に設置することで、どちらか強い電波を受信した方を選択するという感じです。
一本でダメなら複数本置いちゃえって考えですね。
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ルートダイバーシティ方式

ルート、つまり、異なる経路を使って通信を行う方法がルートダイバーシティ方式です。
例えば、運搬で、片方がダメになってももう片方で届くようにと空輸と船便両方を使うようなものです。
片方で届かない場合に備えて、経路を増やそうという考えです。
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偏波ダイバーシティ方式

電波の向きを変えて通信を行うのが偏波ダイバーシティ方式です。
電波には「水平」と「垂直」の向きがあります。
これらの水平偏波と垂直偏波それぞれを受信する2本のアンテナを用いることで、片方が弱くても、もう片方で受信できるようにするのです。
受信の方法を変えるイメージですね。
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周波数ダイバーシティ方式

周波数ダイバーシティ方式は、ラジオのAMとPMのように異なる周波数を使って通信する方法です。
異なる周波数を使うことで、ひとつがダメでも、もう片方の周波数で通信できるということですね。
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問題を解こう!
(1)ダイバーシティ方式とは、同時に回線品質が劣化する確率が小さい二つ以上の通信系を設定して、それぞれの通信系の出力を選択又は合成することにより A の影響を軽減するものである。
ダイバーシティ方式は、フェージングの影響を軽減する技術でした。
Aは「フェージング」になります。
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(2)十分に遠く離した二つ以上の伝送路を設定し、これを切り替えて使用する方法は B ダイバーシティ方式といわれる。
複数の伝送路を使うことで通信を安定させる方法は、ルートダイバーシティ方式でしたね。
Bには「ルート」が入ります。
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(3)二つの受信アンテナを空間的に離すことにより二つの伝送を構成し、この出力を選択又は合成する方法は C ダイバーシティ方式といわれる。
二つのアンテナを離した場所に設置して通信を安定させる方法は、スペースダイバーシティ方式でした。
Cには「スペース」が入ります。
以上より、選択肢1が解答になります。
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まとめ
今回はダイバーシティ方式の問題でした。
ポイントは4点です。
①スペースダイバーシティ方式:アンテナを複数の場所に設置して通信を行う方式
②ルートダイバーシティ方式:異なる経路を使って通信を行う方式
③偏波ダイバーシティ方式:電波の向きを変えて通信を行う方式
④周波数ダイバーシティ方式:異なる周波数を使って通信する方式